「わたしのSEX白書 絶頂度」曽根中生

ようやく復調のきざしが。ただ単に寒いのが苦手なだけか。
その間、「忍者武芸帳」(大島渚)、「ジュリー&ジュリア」(ノーラ・エフロン)、「わたしのSEX白書 絶頂度」(曽根中生)という感じで過ごす。
なかでも「ジュリー&ジュリア」のエイミー・アダムスは今までで一番良かったなあ。今年一押しの女優としてみる。女優といえば「絶頂度」の三井マリアもキレイだったなあ。
三井マリア演じる主人公は病院の採血係で、何度も写される採血シーンの注射針。大きいなあ。音楽はコスモス・ファクトリー。見る前に自宅で聞いていた「ブッカーT&MG'S」みたいだと思ったら、スタックスやモータウンとロマンポルノって同時代なのか。京浜急行沿いの町で繰り広げられる無目的な生同士が絡み合うさまは、まっとうに生きることを諦めているというよりは、ただひたすら欲情することが、高度成長に翳りが見えていた当時の社会に対して、再び成長するのではない、もう一つの生のあり方が投げ出されているように感じた。そうそう、シネスコの画面って、視野を広くしてくれるのではなくて、逆に観客の視野を狭くしてくれる画面なんだと気が付いた。視野を狭くすることでフィクションの強度が高まっていくような。
少しずつだけど、公私混同の感覚が身体に滲んできた。