うごけてるからだいじょうぶなんじゃない?

2日連続で早稲田松竹へゆく。「アメリカン・ティーン」(ナネット・バースタイン)の最終日と「女は女である」、「ウィークエンド」(ゴダール)の初日。
その前日は「フロスト×ニクソン」(ロン・ハワード)。その前々日は「パッセンジャーズ」(ロドリゴ・ガルシア)。いずれも新宿武蔵野館にて。
青いシャツ、紺色のタイを着ることの多いフロストに対して、ニクソンは赤いタイを付けていることが多いインタビュー前とインタビュー前半。ヤサ男にしか見えないフロストがニクソンにこの映画の中で描かれるインタビューでなしえたことは、ニクソンが予期せぬ質問を的確に投げつけ、攻めきったということではなく、あくまでもヤサ男側にニクソンを呼び寄せてしまったということだろう。優しさや弱さや力のなさ。4回目のインタビューの後、フロストが勝利したのではなく、どこか始めから敗者として存在し続けていたフロストの側にニクソンがすり寄ってくる。当然、それまでニクソンが身に付けることの多かった「赤い」色調の召し物は、にニクソンが「女っぽい靴」と評したグッチのスリッポンをフロストが彼にプレゼントする際には、「青い」シャツに変わっている。「女は女である」や「ウィークエンド」を見ていると、映画においては常に「赤い」側が画面の中では強者として振舞える特権を与えられているような気がするが、「フロスト×ニクソン」では、「赤い」ニクソンは勝者とはなり得ずに、「青い」側に変化してしまう。どこまでも「青い」側の映画として撮られたこの映画は、弱さだけで勝負を挑むボクサー(「シンデレラマン」)の映画にも見えてくる。ニクソンはフロストから手渡されたグッチの靴を履いて、海辺の豪邸を歩いたのだろうか?
昨日は、横浜のYCACにて、ジャパン・セブンス。どうやら50回大会ということで、記念イベントもいくつか行われていたようだが、何も調べずに会場到着していた。10年以上前に1度観戦したきりのセブンス。人工芝に変わってしまったグラウンドには、どこかで見たことがある外国人選手が。セレビィだ。なぜ「セブンスの神様」と云われた選手が山手にいるのかさっぱり分らなかったけれど、どうやら50回大会までに一度も優勝したことがないYCACの選抜チームが、特別に招聘したらしい。結果、優勝チームはセレビィはじめ、ニュージーランド代表クラスを擁したYCACが優勝。セレビィは39歳という年齢を思わせないくらいの動きのよさ、そして何よりも「太もも」の充実ぶりがとても印象的だった。
YCACからは麦田町経由で徒歩にて元町へ。
友人が続けるシチリア料理屋へ。当然、白ワインを呑み過ぎて、早めに散会。5歳年上の彼は、中性脂肪の値が正常値の20倍を超えているらしく、いつ死んでもおかしくないとのこと。早く病院に行くように勧めるが、忙しくて行きたくないという返答。
よせばいいのに食後酒まで頂いてしまい、頭が醒めたまま急いで帰宅することになる。