「拾った女」ほか サミュエル・フラー

午前中の早いうちに家事とスーパーへの買い出しを済ませて、三鷹ハローワークへ。1時間半程度の時間を拘束されて「失業者」とは、とか「求職活動の仕方」、「失業保険の不正支給への厳罰」などなどいろいろ講和されてたけど、ほとんど本を読んで過ごす。三鷹駅まで小走りで向かい、途中新宿で落っこちて、衝動的に「わたしは邪魔された」(ニコラス・レイ)を紀伊国屋で購入。そのまま丸ノ内線に乗って、本日もお茶の水へ。
サミュエル・フラー2日目は、「折れた銃剣」(1948)と「拾った女」(1953)。
どうもフラーの映画では、人と人が殴り合ったり、撃ち合ったり、罵り合ったりすることがそのままその人を愛することになるような、愛することのすぐ隣に暴力があるような、そんな印象を受ける。「拾った女」でスリの男(リチャード・ウィドマーク)が、機密事項が記録されているフィルムを彼に盗まれた女とキスするシーンでは、この関係性ではキスしないでしょう、という状況で唐突にキスが始まり、始まったかと思えばすぐさま男は彼女を突き放し、罵倒し、場面は次に進んでいく。この映画には登場人物たちの「行動」と「顔」(に当たる光と影)が次々と変化し続けることで、フィルムが映写されている間、いったい何が起こっていたのだろうと茫然としながらも、85分という上映時間だけで、「人が生きること」の全てが詰まっていたのだと感じた。
夜は吉祥寺でいつもの沖縄料理屋。ビールはゆっくり呑んでいたのだけれど、「里の曙」に切り替えたあたりからピッチが速まり、ふらふらしながら、雨の中を自転車で帰宅した。