みどりいろへの憧憬

はるか昔、自分のわがままでキウイフルーツのケーキを新山下のレストランで作ってもらったことがある。見た目は申し分なく自分が欲望したケーキに仕上がっていたが、味はといえば、勝手ながらあまり美味しくなかったことを記憶している。
吉祥寺からバスで帰宅すると、愛媛にいるという義母の知り合いからキウイフルーツが送られてきている。
深夜に一人で食してみると、これが今までに食べたことのないうまさ。
キウイフルーツのよいところは、切ったときの断面。そこに露になるあの「みどりいろ」。
キウイのみどりには、食べたい、というよりは、ずっと見ていたい、というへんちくりんな欲望を抱きます。
本日食したキウイは、そんな見ていたい「みどりいろ」への欲望を一旦そっちのけにするくらい、うまさがありました。
愛媛ってみかんだけじゃないのですね。

ボーン・アルティメイタムポール・グリーングラス