ひまつぶし

巷ではライブドア堀江社長逮捕でわさわさしてる。先週からのマスメディアの報道をみていると、そう、地下鉄サリン事件のことを思い出させる。麻原教祖も一時選挙に出馬したし、なんといっても事件の中心にいる堀江社長と実行犯の幹部たち、といった配役具合も似ている。だからどうってことはないけど、あくせくみんな毎日働いてるけど、公共空間における「悪」をめぐって、大仕掛けなストーリーがみたくて、堀江さんの逮捕についても、今回の逮捕劇を「見たかった」だけのために、あれだけもてはやして、もてはやした気分になって、でもやっぱり社会の「悪」が演出されて表現されるその様を逐一見届けることで、日々の労働に関わる閉塞感みたいな感情をまぎらわして、憂さを晴らしているのかもしれない。
いや、本当は「すべきこと」、「やるべきこと」は山ほどあるはずなんだけど、僕が生まれ育った団地、その団地を中心に活動していた労働者たちが達成した高度成長期以降は、「やること」がなくなった時代で、多分70年代以降って、やることがなくなっているにも関わらず、「おいしい生活」なんていう暇潰しの工夫をみんなでがんばって、それが「バブル経済」とかっていわれるようになったのかなあ。
でも、自分がまがりなりにもコトバで世界と対峙しはじめた90年代後半にはそういった暇潰しの工夫もいい加減、限界が見えてきた時期で、どうにもこうにもシニシズムニヒリズムに陥っちゃったのだなあ。自分。
少し戻るけど、それでも「やるべきこと」はたくさんあって、それは「資本主義のゲーム」に参加しながらも、そのゲームの外側でコツコツ地道に実行すべきことなので、具体的に何っていわれるとすぐには答えられないけれど、とにかく、そう「やること」はたくさんあるはずなのだ。
例えば、こうして、ろくでもない自意識のながれを、なんとか書き留めておくこと。無益かもしれないけれど、とにかくお金にならない行動として、この世界に対峙している過程を「出力」してみること。
昨日は「ペイル・ライダー」をDVDで、一昨日は日仏学院で、グザビエ・ボーボアの「新しい警官」を見た。