もはや、そしてもう一度

カサヴェテスに憧れて、「ラブ・ストリームズ」だか、あ、それから「オープニングナイト」にも頻出するスコッチ、J&Bを勢いで買ったのは良いけど、身体に合わないわ、合わないわで、今日も眠れないから寝酒に呑んでみてはいるけれど、坂口安吾よろしく、酒をまずいと思いながら呑み下し、ただぼーっと2ヶ月も前の映像をパソコンに取り込んでいると、足下から登場。投壜通信という詩集?がでてくる。詩の雑誌かしら。矢立出版というところから出ているらしい。松本圭二の詩がやたらと目立って取り上げられているので、今日も怠惰に引用してみる。

 

(かなり乱暴に略)
 それがこの文明が仕掛けた罠である
 私は死ぬ
 君が死ぬ
 この断層の溝には何もない
 孤独以外には
 君はもう知っているし
 私も知っている
 拡声器と核兵器はほぼ同じ重さをしていたはずだ
 ライオンを飼いならす夢
 蛇に飲み込まれる夢
 君を護るのは背中の御先祖様だけであり
 運命は前世からもたらされている
 ということになっている
 史学 
 民は漂う
 大洪水は絶えない
 こうした不幸こそが文学の属性である
 よって
 君の麦は地雷であるべきだし
 君の教科書は劣化ウラン弾であるしかなかった
 私は判っている 
 君が判っているように
 そう、
 戦争がそうであったように
 テロリズムもまた
 文学を可能にする条件に過ぎないのだ
 君のように私は
 「現実を問う」ということを
 本気でやってはいない
 そういうことだ
 死ねばいい

エデンの東」より(松本圭二 投壜通信 第59号より)