今は止めているだけ

何年前だかにフィリップ・ガレルの「恋人たちの失われた革命」を日仏学院で見た。上映後のティーチ・インで、ガレルは「68年」の革命について、あの革命は負けたのではなく、一旦「止めた」だけなのだ、というような趣旨の発言を聞いたことを記憶している。日本では全共闘世代に代表させ、どうしても「負けた」というイメージで語られがちな「68年」の革命は、ガレルにとっては「止めた」だけなのだ、ということばを聞いた時、現在まで堂々と闘争を続けている(続けようと意志している)ガレルの強い魂を感じた。果たして自分はいま、ガレルの意志する
革命に少しでも繋がっているのか、繋がることができているのか。疲労と疲弊を積み重ねる労働に捧げてしまっているここ数年を考えると、ぞっとするぐらい、ガレルの意志からは遠いところに立ってしまっている気がしてきて、昨日も、そして今日も絶望から1日が始まるのだった。